【眠りのプロの視点】整体で買った硬いマットレスで腰が痛い?~「姿勢矯正」と「リラックス」の決定的な違い~

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著者:石川 克幸(Katsuyuki Ishikawa)

西部製綿株式会社 代表取締役。元・カネボウ化粧品研究員。広島大学大学院で神経生物学を専攻した理系視点と、22年間で6,300人以上の体型測定データを持つ「四国唯一のスリープマスターエキスパート」。寝姿勢と体圧分散の関係を科学的に分析し、「感覚」に頼らないロジカルな枕・マットレス選びを実践し続けている。自称「日本一文章を書くのが好きなふとん屋」。

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社長の「これまでの歩み」と、当店が「科学的アプローチ」に異常なまでにこだわる理由
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■ この記事で分かること(要約)

  • 「硬いマットレス=腰に良い」は誤解。硬すぎると腰が浮き、一晩中筋肉が緊張し続けてしまうというデメリットがある。
  • 整体師は身体の状態を整えて「骨格を矯正する」専門家であり、当店(眠りのプロ)は「寝姿勢」「体圧分散」や「眠りの質」を診る専門家である。そもそも視点が異なっている。
  • 自分の背中のカーブや体圧分散を「客観的なデータ」として知り、BMIなどを考慮しながら、最適なマットレスを選ぶことが大切。
  • 日中は整体の考えに基づく身体のケアを行い、夜は自分に合った寝具で「快眠」する、両輪のアプローチがおすすめ。

 

1.はじめに

「整体の先生に勧められて硬いマットレスを購入したけど、寝ていてかえって背中や腰が痛い…」
「仰向きでじっと寝られないので、寝返りばかり打っている。正直言って寝るのがつらい…」
「整体の先生に勧められたので、身体に良いと信じて、我慢して使っている…」
「整体で硬いマットレスを勧められています。寝心地が良いとは思えないのですが、購入しても大丈夫でしょうか?」

上記は全て、私が実際の接客中にお客様からお聞きした言葉です。おそらく100人以上の方からお聞きしていると思います。

今回は「正しいことを正しく伝える」スタンスで、なぜ「整体で勧められた硬いマットレス」で寝るとしんどいのか?どんなメリットとデメリットがあるのか?

実際に私が店頭でお話している内容をそのままに、分かりやすく、科学的に解説してみたいと思います。

2.「整体師で勧められた硬いマットレス」で負担を感じる理由

腰や背中に違和感を覚えている時、通っている整体院の先生から「腰が沈み込まないように、硬い布団やマットレスで寝てください」と指導されることはよくあります。

お客様は「身体の構造を知り尽くしたプロの言うことだから間違いないはずだ」と信じ、高価でカチカチに硬いマットレスを購入した人も多くいらっしゃると思います。そして体の違和感を我慢しながら『整体で勧められたのだから・・・』と我慢して使い続けようとされます。

しかし、朝起きた時に腰や背中に強い負担を感じたり、夜中に何度も目が覚めてしまったりするのであれば、それは身体からの「NGサイン」という他ありません。

身体に良いと思って選んだはずの環境が、かえって身体に負担を掛けてしまっているかもしれないのです。

なぜ「身体に良いはずの硬いマットレス」で疲れてしまうのか?

「硬い寝具=腰に良い」とされる理由は、「腰が不自然に沈み込んで曲がるのを防ぐため」です。確かに、柔らかすぎて腰が「くの字」に沈み込む寝具は、身体(特に腰)に無理な負担をかけてしまいます。

しかし、だからといって「硬ければ硬いほど良い」というわけでは決してありません。

人間が硬すぎる敷寝具の上に横たわると、お尻や肩甲骨などの出っ張った部分だけに集中的に重力(体重)がかかります。その結果、皮膚や毛細血管が強く圧迫されて血流が滞りやすくなります。

さらに、硬い平面の上に寝ることで「浮いてしまった腰」を支えようと、無意識のうちに背中や腰の筋肉が緊張し続け、一晩中、筋肉が緊張した状態が続いてしまうのです。その結果寝返りが増え、熟睡感は低下してしまいます。

これでは、本来リラックスして疲れを取るための睡眠の時間に、逆に疲労を溜め込んでいるとしか言いようがありません。

3.整体師と寝具専門店の「視点」の違い

そもそも整体師(身体のプロ)と私たち寝具専門店(眠りのプロ)は見ているポイントが全く異なっています。少なくとも私はそう感じています。

整体で重視される「姿勢を整える」という視点

ここで誤解していただきたくないのは、「整体師さんの考え方が間違っている」ということではありません。

身体のバランスを整えたり、日常生活で固まった身体をリセットしたりするという意味で、硬めの寝具で寝ることは有益です。この点に関してはメリットがあります。

私自身もデスクワークが多いため、前かがみの姿勢が続いた時などは、デスクワークを中断して、姿勢をリセットするために床に直接寝ることがあります。首や背中の筋肉が伸びる感覚があり、短時間であればとても気持ちよく感じます。

しかし、ここで大切なのは「その状態を一晩中続けられるか」ということです。

身体を伸ばすことや姿勢をリセットすることと、睡眠によって身体を休ませることは、全く目的が違います。

寝具のプロが重視する「寝姿勢」と「体圧分散」

睡眠とは、単に身体を伸ばして骨格を整える時間ではありません。 日中、重力に逆らって身体を支え続けた筋肉を休ませ、全身の力を抜いてリラックスするための時間です。

そのためマットレスには、ただ硬く身体を支えるだけではなく、一人ひとりの身体の凹凸に合わせた適度なフィット感や体圧分散性が求められます。この点が整体師との最大の違いだ・・・と私は考えています。

硬すぎる寝具では、お尻や肩など一部に圧力が集中し、さらに腰や背中の隙間を支えるために筋肉が緊張した状態が続いてしまうことがあります。短時間なら「身体が伸びて気持ちいい」と感じる環境でも、7〜8時間という睡眠時間の中では、身体を休ませる環境として適しているとは限らないのです。

整体など身体を整えるケアと、寝具によって身体を休ませるための環境づくり。 どちらが正しいということではなく、それぞれの目的を理解して使い分けることが大切なのです。

「硬い=誰にでも良い」ではない~硬すぎる寝具が招く「腰の隙間」と「寝返りの増加」~

 

人間が仰向けで寝た時、頭部(体重の8%)、胸部(33%)、臀部(44%)、脚部(15%)という割合で体重が分散されます。お尻や背中の出っ張りに対して、腰の後ろには必ずアーチ状の隙間が存在します。

硬すぎるマットレスの上に寝ると、この腰の後ろにできる隙間が埋まりません。 すると、宙に浮いた腰を支えようとして筋肉がずっと緊張したまま固まってしまいます。

さらに、体重の大部分を支えるお尻に強烈な圧力が集中するため、身体は圧迫を逃がそうとして無意識に寝返りを過剰に繰り返したり、無理な横向き寝を強制されたりして、熟睡が妨げられてしまうのです。

これがまさに、整体マットのように硬すぎるマットを使うデメリットです。

しかしながら私は『整体マットを使うのはNG』だと言いたいワケではありません。

大切なのは使う人の目的や体型だと私は考えています。

4.体型によって「最適なマットレス」は全く異なる

睡眠科学において、「万人に共通して正しい硬さのマットレス」というものはなかなか存在しません。なぜなら、一人ひとり身長や体重が異なり、背中のカーブも違うからです。

– 背中のカーブが深い人(Wラインやヒップタイプ): お尻が突出しているため、適度な沈み込みと、腰の隙間をしっかり埋めるクッション性が必要。
– 背中が平らな人(フラットタイプ): 凹凸が少ないため、硬めの寝具でも比較的圧力が分散しやすい。
– BMIの高い方: 硬めのマットレスでしっかりと支える必要がある。
– BMIの低い方: 柔らかめのマットレスで優しく支える必要がある。

整体マットレスが合うケースも

裏を返せば、体重が100㎏を越えるような方は、一般的な硬さのマットレスでは沈み込みが強く感じてしまいます。

そのため整体マットレスのようなカチカチのマットレスが気持ち良いと感じる方もいらっしゃいます。

私は店頭で実際にそのこともしっかりとお伝えしています。

ロマンスエコーは、筆者の体型(身長165㎝、体重56㎏)では硬すぎて、正直申し上げて「仰向きがしんどい」ですが、体重の重い方にはオススメのマットレスです。

当店では、ロマンスエコーを『100㎏以上の方限定』マットレスとしてご提案しています。

整体マットに関して、私なりの一つのまとめ

冒頭申し上げたように、『整体マットレスを使っている』、もしくは『勧められている』という、お客様のお話を私は100人以上の方から聞いています。

中にはBMIが18弱(身長160㎝、体重45㎏)の若い女性もいらっしゃいました。このような細身の方が、整体マットを使ったとすれば、おそらく背中が痛くて、一晩中寝返りを打ち熟睡できないと思います。結局この女性は、私の話を聞いて整体マットの購入を見送られました。

繰り返しになりますが、骨格の矯正目的だけでなく、ご自分の体格に合わせて適度な体圧分散性性やフィット感を有するマットレスを選ぶことが大切だと思います。

5.「感覚」ではなく「客観的なデータ」で確かめる

「自分にはどんなマットレスが合うんだろう?」と悩まれた時、お店で数分間横になっただけの「なんとなくの感覚」で選ぶのは危険だと思います。試し寝で「気持ちいい」と感じても、実際に購入してみると寝心地が悪く感じるケースは、とても多いことなのです。ネットの口コミを過信して買うのは、もっと危険かもしれません。

だからこそ、自分の身体を知るための測定が重要になってきます。

「えっ?わざわざデータを測るの?」と思われるかもしれませんね。

当店では、特許取得の専用測定器を用いてお客様の「背中のカーブ(立位姿勢)」を計測し、さらに体圧センサーで「仰向けや横向きで寝た時に、どこに圧力が集中しているか」を「見える化」します。

測定結果を見ることで、

「だから硬いマットレスだと寝心地が悪かったんだ!」
「お尻にこんなに負担がかかっていたんだ」
と、ご自身の身体の状態を見てご納得していただけるはずです。

身体に本当に合ったマットレスをカスタマイズ

客観的な測定データを確認したら、次は実際にマットレスを体感頂きます。

当店でご好評いただいている西川のマットレスでは、体型に合わせて1cm単位の「サポートパッド」を挿入して寝心地を調整することが出来ます。

サポートパッドの活用方法(腰の下に入れる場合、ひざの下に入れる場合)

体型やお悩み(腰痛・膝痛)に合わせて、腰や膝下にサポートパッドを挿入すること差し込むことで、寝心地がぐっと良くなります。

もちろん、ここでお伝えしておかなければならないのは、マットレスは「全て解決する魔法のアイテム」ではないということです。自分に合ったマットレスを使うことでさまざまなお悩みが大幅に軽減された方もいらっしゃいますが、その一方で効果が限定的だった方もいらっしゃいます。私はそのことをしっかりとお伝えしたうえで、マットレスのご提案をしてきました。

ただ自分の体型を知った上で、体型に合うマットレスを選ぶことで、「腰の痛みが軽減した」「仰向きでぐっする眠れるようになった」という事例は数多くあります。これは紛れもない事実です。


よくある質問(FAQ)

Q1. 今使っているマットレスの寝心地が悪いので、オーバーレイを敷けば解決しますか?

A1. ネットの記事などでは「このオーバーレイを敷けばマットレスの寝心地が全て改善する」などと紹介されることがありますが、オーバーレイは魔法のアイテムはありません。本記事のテーマである硬すぎる整体マットレスの場合であれば、表面にオーバーレイを重ねて隙間を埋めることが、体圧分散を改善する合理的な選択肢になります。しかしながらマットレスが経年劣化でへたっていたり、沈み込みすぎている場合は、上にパッドを重ねても余分な沈み込みを作ってしまい、さらに寝心地が悪くなってしまいます。単純に『足し算すれば良い』『買い替えれば良い』と決めるのではなく、今の寝具と身体の状態に合わせて最適な選択をすることが重要です。

Q2.整体で勧められた「姿勢を矯正する硬いマットレス」は、身体に良くないのでしょうか

A2.身体のバランスを整える整体的なケア自体は、とても大切な要素です。しかし「身体を整えるケア」と「リラックスしてとる睡眠」では、目的が違います。硬い床で身体を伸ばすのが短時間なら気持ち良いように、姿勢矯正を目的とした硬いマットレスも、短時間の休息には適しているかもしれません。しかしながら一般的な体型の方が7〜8時間身体を預ける間中ずっと、硬すぎるマットレスを用いると、睡眠の質は下がってしまうリスクが生じます。ただし体重が100kgを超えるような大柄な方の場合は例外です。一般的な硬さのマットレスだと沈み込みが強いため、整体で勧められる硬いマットレスがぴったりと合うこともあります。
日中のケアは整体の考え方を取り入れつつ、睡眠時には「ご自身の体重や体型に合わせて過不足なく支えてくれ、リラックスできるマットレス」を選ぶことが、健康のために良いと考えています。

Q3. 体型測定をしてもらうのに料金はかかりますか?

A3. いいえ、体型・体圧分散測定だけであれば「無料」で行っております。ご自身の身体のデータを客観的に知るだけでも、マットレス選びの大きなヒントになりますので、お気軽にご相談ください。

6.自分に合うマットレスを、客観的なデータに基づいて選んでみませんか?

「自分の背中のカーブがどうなっているのか見てみたい」
「本当に自分の体型に合ったマットレスをデータで確かめたい」

そんな素朴な疑問や興味をお持ちの方は、ぜひご相談ください。

この記事は『自称日本一文章を書くのが好きなふとん屋』が書きました

著者:石川 克幸(Katsuyuki Ishikawa)

西部製綿株式会社 代表取締役。元・カネボウ化粧品研究員。広島大学大学院で神経生物学を専攻した理系視点と、22年間で6,300人以上の体型測定データを持つ「四国唯一のスリープマスターエキスパート」。寝姿勢と体圧分散の関係を科学的に分析し、「感覚」に頼らないロジカルな枕・マットレス選びを実践し続けている。自称「日本一文章を書くのが好きなふとん屋」。

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香川県観音寺市豊浜町箕浦甲2424
0875-52-3234

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2階建ての体感型のショールームです。

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自称『日本一文章を書くのが好きなふとん屋』

かつてはカネボウで化粧品研究員をしていました(口紅やマスカラの処方開発担当)。現在は縁あって(婿養子)香川県で『寝心地ラボ+ byふとんのせいぶ(西部製綿株式会社)』の社長をしています。自称『日本一文章を書くのが好きなふとん屋』です。広島県出身の熱狂的カープファン。現在58歳ですが、10歳と8歳の男の子のおっさんパパ。『寝具』や『眠り』のことだけでなく、『子育て』のことを書くことも大好きです。もと研究員だけあってかなり理屈っぽいですが、出来るだけ読みやすい文章を心がけています。
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