多くの人が誤解している!? 羽毛ふとんの選び方【第1章・総論】|――「何となく良さそう」だけでは決めきれない理由――
1.はじめに
羽毛ふとんを前にすると、なぜか迷ってしまう
「羽毛ふとんを買おうと思ったけれど、正直、何が違うのかよく分からなかった」
「何を基準に選べばいいのか迷った」
「値段の違いがよく分からない」
これは、実際によく耳にする声です。
インターネットの通販サイトを見ても、「良さそうなこと」がたくさん書かれていて、しかも「激安」。
一見すると、とても魅力的に見えます。
一方で、実際の売り場に並ぶ羽毛ふとんは、どれもふっくらしていて、触ってみるとそれなりに暖かそうに感じます。
さらに、当店のような寝具専門店に足を運ぶと、数十万円もする羽毛ふとんが並んでいることもあります。
だからこそ、
「この価格差はいったい何?」
「何がどう違うの?」
と感じる方が多いのも、自然なことだと思います。
中には、
「なぜそんなに高いの?」
「もしかして、だまされているのでは?」
と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
ただ実際には、価格が高くなる羽毛ふとんには、それなりの理由があります。
しっかりと育てられた羽毛を使い、丁寧に洗浄・選別を行い、仕立てや側生地にも手間をかける。
そうした工程を重ねることで、「使い始めの暖かさ」だけでなく、「長年使い続けたときの状態」まで考えた羽毛ふとんが出来上がります。
とはいえ、それがすべての人にとって必要かどうかは、また別の話です。
「これが自分に合っている」と言い切れないまま、選ばなければならない。
ここに、羽毛ふとん選びの難しさがあります。
2.羽毛ふとん選びが難しい本当の理由
羽毛ふとん選びが難しく感じられるのは、決して知識が足りないからではありません。
羽毛ふとんという寝具そのものが、違いを見た目だけで判断しにくい構造だからです。
中に入っている羽毛を直接見ることはできません。
羽毛ふとん独特の「キルト構造」も、意味が分かりにくい部分です。
品質表示を見ても、
「これは良いのか?悪いのか?」
「この数字は何を表しているのか?」
と、かえって混乱してしまうことも少なくありません。
だからこそ、
「何を比べるか」ではなく、
「どこを見て考えればいいのか」を、
一度落ち着いて整理することが大切になります。
3.高い羽毛ふとん=自分に合う、とは限りません
羽毛ふとんを探していると、
「やっぱり高いほうが暖かいのかな?」
と感じる方も多いと思います。
確かに、良い素材を使い、丁寧につくられた羽毛ふとんは、価格が高くなり、その分、保温性も高くなります。
ただし、
価格が高い=誰にとっても快適
というわけではありません。
たとえば、
・断熱性の高い住宅に住んでいる方
・寝るときも暖房を使う方
・暑がりで、そこまでの保温性を求めていない方
こうした方にとっては、
「とにかく厚くて暖かい羽毛ふとん」が、必ずしも心地よいとは限りません。
特に、小さなお子さまや成長期の中高生の場合、保温力が強すぎると、
・寝汗をかきやすい
・布団の中が蒸れやすい
・寝返りが増えて眠りが浅くなる
・無意識に布団をはねのけ、かえって寝冷えする
といったことも起こりやすくなります。
一方で、
・寝室が冷え込みやすい
・暖房を切って眠りたい
・冷え性でつらい
という方であれば、また別の視点が必要になります。
羽毛ふとん選びで大切なのは、
「一番暖かそうなもの」を探すことではなく、
自分の体質・眠り方・住環境に合っているかどうかを考えることです。
4.昔は暖かかったのに、最近寒いと感じる理由
羽毛ふとんについてのご相談で、とても多いのが、次の声です。
「買った頃は、もっと暖かかった気がする」
「見た目は変わっていないのに、寒く感じる」
この変化には、いくつかの理由が重なっています。
4-1.体質の変化という、見落とされやすい要因
たとえば、今お使いの羽毛ふとんを購入したのが15年前だったとします。
その15年間で、年齢も15重ねています。
一般的に、年齢を重ねるにつれて、
・血流の変化
・筋肉量の変化
・体温調整機能の変化
などが起こり、以前より冷えを感じやすくなる方は少なくありません。
「同じ布団を使っているのに寒い」と感じる背景には、
こうした体の変化が影響していることも多々あります。
4-2.羽毛ふとんそのものにも、変化は起きています
中身の羽毛は、非常に軽くてやわらかな素材です。
その反面、
・毎晩の寝返りによる圧
・日々の取り扱いで生じる摩擦
・体から出る汗や湿気
といった影響を、少しずつ、確実に受け続けています。
使い続けるうちに、ダウンボールは細かくなり、
羽毛一つひとつのふくらみは小さくなっていきます。
この変化は、干したりするだけでは元に戻りません。
羽毛ふとんの暖かさは、羽毛そのものが発熱しているのではなく、
羽毛が含んだ空気の層(断熱性)によって保たれています。
そのため、
羽毛のふくらみが弱くなる
↓
含める空気の量が減る
↓
体感としての暖かさが落ちる
という変化が、少しずつ起こります。
4-3.そこに重なって起きやすい「羽毛の片寄り」
もう一つ、暖かさに影響しやすいのが、羽毛の片寄りです。
羽毛はとても軽く、ふとんの中で常に動いています。
特に片寄りが出やすいのは、
・肩や首元
・胴体部分
・足元の端
といった、体の動きが集中しやすい部分です。
羽毛が一部に集まると、ふとんの中に薄い部分ができ、
そこから冷気を感じやすくなります。
5.まとめ 羽毛ふとん選びで、いちばん大切なこと
羽毛ふとん選びは、「正解探し」ではありません。
誰かにとって良いものが、必ずしも自分に合うとは限らない。
だからこそ、比べることよりも、整理することが大切になります。
・自分の眠り方
・住環境
・体の変化
・使い方のイメージ
これらを一度、落ち着いて整理するだけでも、
羽毛ふとん選びは、ぐっと楽になります。
もう一つ大切なのは、価値観です。
限られた予算の中で、どこにお金を使うか。
旅行、食事、ファッション、車、趣味、そして「眠り」。
どれが正しい、という話ではありません。
ただ、眠りは毎日の積み重ねであり、
あなたの健康を支える大切な土台です。
このあと続く章では、
・中身の羽毛を、どう見ればよいのか
・キルト(仕立て)が、使い心地にどう影響するのか
・側生地の違いが、なぜ寝心地に差を生むのか
・そして、10年後に差が出る「お手入れ」の考え方
について、一つずつ、順番に掘り下げていきます。
6.羽毛ふとんのご相談について
羽毛ふとんは、
スペックやカタログの情報だけで
簡単に答えが出る寝具ではありません。
・今お使いの羽毛ふとんが、本当に自分に合っているのか
・買い替えたほうが良いのか、仕立て直しという選択肢があるのか
・そもそも、何を基準に考えればよいのか
こうした点を、
一度立ち止まって整理するところから始めることが、
結果的にいちばん後悔の少ない選び方になることも多いと感じています。
当店では、
無理に商品をおすすめする前に、
・体質
・眠り方
・お住まいの環境
・ご予算感
といった背景をお聞きしながら、
「どう考えるのが合っていそうか」を一緒に整理するところから
お手伝いしています。
今すぐ買い替える必要がないケースもありますし、
お使いの羽毛ふとんを活かせる方法が見つかることもあります。
どうぞ、お気軽にご相談ください。
7.寝心地ラボ+ byふとんのせいぶ 店舗情報

寝心地ラボ+ byふとんのせいぶ
西部製綿株式会社
香川県観音寺市豊浜町箕浦甲2424
0875-52-3234


2階建ての体感型のショールームです。


アクセス


四国各地からのアクセス良好
・松山ICより80分
・徳島ICより90分
・高知ICより60分
自称『日本一文章を書くのが好きなふとん屋』
最新記事 by 自称『日本一文章を書くのが好きなふとん屋』 (全て見る)
- 多くの人が誤解している!? 羽毛ふとんの選び方【第1章・総論】|――「何となく良さそう」だけでは決めきれない理由―― - 2026年1月13日
- 【独自解説】INTIME(インタイム)とActive Sleep(アクティブスリープ)~2大ブランド統合でパラマウントベッドが進化!~ - 2025年10月19日
- 【子供店長&子供副店長通信】店舗改装、つかの間の休息、そして・・・(2023年5月号) - 2025年10月6日












